家具の転倒防止器具をご紹介します。
転倒防止器具には、色々な種類がありますが、適材適所で使い分ける必要があります。グッズの種類と効果を正しく理解して、耐震効果を高めることが大事です。
地震時の家具転倒による被害は大きい
地震の時に家具などが倒れると、色々な被害が想定されます。
- 逃げ口が塞がれる
- 飛散物で怪我をする
- 下敷きになって怪我をする
普段人が居ない場所にある家具だから、倒れても大丈夫だと思っていると思わぬ被害に合う可能性があります。
阪神淡路大震災では、6割の部屋で家具転倒、怪我の46%が家具
阪神淡路大震災のデータより、多くの人が家具転倒の被害にあっています。
- 震度7の地域では、約6割の部屋で家具が転倒した
- 73%の人が家具やガラスで怪我をした
- 家具の転倒・落下が原因で怪我をした人が46%
- ガラスの飛散によって怪我をした人が29%
事前に対策をすることで被害を防ぐことができるので、家族の安全のために万全の対策をしたいところです。
耐震グッズの種類と効果
家具を転倒させないためには固定する必要があります。転倒防止のための器具には、いくつか種類があり、その効果も様々です。
効果 | グッズ | コメント | 賃貸 |
---|---|---|---|
大 | L字金具 | 賃貸などでは難しい | × |
伸縮棒・ポール + マット | 合せ技で強度を上げる | ○ | |
伸縮棒・ポール + ストッパー | 合せ技で強度を上げる | ○ | |
中 | ベルト・チェーン | 賃貸などでは難しい | × |
小 | 伸縮棒・ポール | お手軽だが効果は薄い | ○ |
ストッパー | お手軽だが効果は薄い | ○ | |
粘着マット | 小さい物を固定するのに便利 | ○ |
それぞれの効果を知って適切な対策をとる必要があります。
一番効果があるのが、L型金具で家具を固定する方法。上向きに固定するより、下向きに固定するほうが強度が高いです。ただし、賃貸住宅などではこのような対策が取れないのが難点。そのため、ポールと一緒にマットやストッパーを使って、強度を上げることが推奨されています。
出典
家具転倒防止器具のご紹介
家具転倒防止器具の解説をしていきます。
L字金具
家具転倒防止に一番効果があるのがL字金具です。ネジでしっかり固定することで転倒を防いでくれます。しっかり柱が通っている場所に固定することが大事です。
他にも、ネジを使わない方式のものがありますが効果は劣ります。ネジで固定しないものを使う場合は他の対策と合わせて利用すると良いと思います。
ベルト・チェーン
ベルトやチェーンで壁に家具を固定する方法も効果が期待できます。壁に柱が通っていない場合などには、天井の柱にネジで固定することで、有効な対策となります。
ささええひっぱる君は、ストッパー式とベルト式の合わせ技で固定します。ベルト式もネジで固定する方法なので強度が期待できます。
金具で固定するのと比べて劣りますが、ベルトで固定できれば安心です。
参考 ベルトで固定する時は、強度を保つために30℃以下の角度でピンと張るのが理想的。
伸縮棒・ポール
ポールで突っ張る方式は、家具の転倒防止対策として知名度が高いのですが、使い方によっては効果が薄いので注意が必要です。
天井と家具の隙間が狭く、奥行きのある家具だと効果があります。それ以外の場合には、他の対策を検討したり、あわせ技で対策をすると良いです。粘着ゴムを噛ませて固定したり、ストッパーと合わせて使うことで転倒防止効果を高めることができます。
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「ふんばりくんシリーズ Zタイプ」ならジャッキ型でガッチリ固定することができます。工具が不要なのも便利です。天井までの高さが20cm未満である必要があるので注意が必要です。
先に紹介したアイリスオーヤマの製品の耐圧は140kgですが、ふんばりくんは耐圧 最大800kgなので強靭です。
つっぱり式の器具は、ニトリでも販売されているため、お近くに店舗がある場合は、覗いてみても良いと思います。
設置方法は家具の奥!
伸縮棒・ポール式の場合は、設置方法に誤解が多いため、注意が必要です。
手前を突っ張っても効果はほとんどありません。家具が倒れる時には、手前側は前に倒れようとしますので、上下に力を加えていても支えになりません。家具の後ろ側が浮いて倒れてこないようにするために、家具の後ろ側を突っ張って支えることで効果が得られます。
ストッパー
家具を後ろに傾けて前に倒れにくくする製品です。お手軽に設置できますが、ストッパーだけでは効果が薄いため、ポールと合わせて使うと良いです。
「ふんばる君」は、震度7(5~10cmの揺れ幅)で食器棚の転倒を防ぐことが実験済みです。家具の重心を後ろにすることで、揺れを抑える効果があります。「ふんばる君」は不動の人気商品ですね、幅が120cmの「ふんばる君」もあるため家具の前面を幅広くカバーすることができます。
Amazon売れ筋ランキング「耐震・転倒防止用接着マット・ストッパー」では「あんしん君」も売れていますね。
粘着マット
粘着マット式の耐震グッズは小さな家具や、電化製品が動かないようにするために便利です。
サンワサプライの商品は、色が透明なので、設置した時に目立たたないのが特徴。粘着マットにより、全方向(上下左右)の揺れに対応します。水で洗うことで繰り返し使えるのも嬉しいポイントです。
比較的軽い電化製品などの転倒対策に有効だと考えられます。また、ポールやベルトなどの転倒防止対策と合わせて使うことで効果がさらに高まります。
Amazonの「耐震・転倒防止用接着マット・ストッパー」の売れ筋ランキングでは、iHouse allの商品が口コミの数&評価が高く売れ筋。
賃貸で使える転倒防止グッズ
色々な家具転倒防止グッズをご紹介してきました。
現実的に、賃貸で使える転倒防止グッズとして一押しなのは「ふんばりくんシリーズ Zタイプ」だと思います。天井までの高さが20cm未満である必要がありますが、ネジなどを使わずに耐圧最大800kgでガッチリ固定できるのは頼もしいです。
ただし、天井の強度には注意が必要です。
ちょっと値段が高いのが難点ですが、鉄製でしっかりした作りなので数十年は使えそうです。コストパフォーマンスと安全性を考慮するとお買得と言えるかもしれません。
「ふんばりくんシリーズ Zタイプ」が現実的ではない方は、「伸縮棒・ポール と 粘着マット」の合わせ技が有効。伸縮ポールの足に粘着マットを噛ませることで、揺れでポールが弾かれる可能性を抑えることができます。
冷蔵庫の転倒防止に有効な対策
冷蔵庫は壁との隙間があるため、特殊な対策が必要になります。
冷蔵庫の転倒防止対策を紹介している記事も参考にしていただければと思います。
さいごに
転倒防止グッズは、家具と家屋の特性を考慮して最適な対策をとる必要があります。
- 天井が弱いのに「伸縮棒・ポール」を使う
- 壁が弱いのに「L字金具」で固定する
- 家具と天井の隙間が大きいのに「伸縮棒・ポール」を使う
- 家具の奥行きがあまり無いのに「伸縮棒・ポール」を使う
これらは効果がありません…。
いざという時に役に立たない対策にならないように、なるべく効果の高い方法を選んだり、組み合わせて強度を増すことが大事です☆