防災用ヘルメットの選び方と、おすすめ品をご紹介します。
普段はなかなか使う機会がありませんが、いざという時にあると心強い防災グッズです。「被っておけば良かった…」と後悔しないように、すぐに使える場所に保管しておくと安心です。
ヘルメットの必要性
災害時には、様々な危険が存在します。
余震や火災、避難している時に危険にさらされる可能性があります。
- 必要な荷物を取りに帰った時に建物が倒壊
- 余震で頭上から物が落ちてくる
- ビルの上からガラス片やコンクリート、植木が落ちてくる
- 避難時に瓦礫が風で飛んでくる
地震の時には落下物の危険と隣り合わせ。
人間の急所である頭の保護を怠ったために、打ち所が悪くて大怪我をしたり、最悪の場合は命を落とすことになります。
そんな時に、ヘルメットを着用していれば、ダメージを大幅に軽減できます。
選び方は「国家検定合格品か?」と「素材」
防災用ヘルメットを選ぶポイントは「国家検定合格品」と「素材」です。
「国家検定合格品」であれば安全面はクリアできています。更に安全を確保したい場合は「素材」にこだわると良いです。
そして、予算、デザイン、収納効率などを考慮して選ぶと良いと思います☆
それでは、選定の肝となる「国家検定品」と「素材」についてご紹介します。
国家検定(飛来・落下物用)をクリアした保護帽であるか
保護帽とは国家検定をクリアしたヘルメットの呼び名です。
日本では保護帽の着用規定があり、特定の労働に従事する際には、保護帽を着用する義務があります。工事現場の方々が必ずヘルメットを被っているのはこのためです。
また、保護帽には3種類あり、防災用として役立つのは「飛来・落下物用」です。
- 飛来・落下物用
- 墜落時保護用
- 電気用(7000V以下)
飛来・落下物用の保護帽として認定されているものは、ヘッドバンド(サイズ調整機能)、ハンモック(衝撃吸収材)、あご紐(脱落帽子)が付いています。
そして、飛来・落下物用の検定試験は下記をクリアしています。(検定試験の有効期限は3年)
- 衝撃吸収性試験
人頭模型にヘッドバンドが密着しないよう装着したのち、5kgの半球を1mの高さから自然落下させる。人頭模型に加わる衝撃荷重が4.9 kN(約500kgf)以下であれば合格。高温・低温・浸水の環境でも問題ないか、それぞれ試験をする。
- 耐貫通性試験
人頭模型にヘッドバンドが密着しないよう装着したのち、3kgの円錐(先端角度60°)を、帽体頂部を中心とする円周100mmの範囲内に1mの高さから自然落下させる。その際、先端が人頭模型に接触しなければ合格。
な、なんとも過酷な試験です。1mの高さから、3kgから5kgのダンベル相当の物体が落ちてきたら命に関わります…。
確かに、これらがクリアされたヘルメットなら安心と言えそうです。
耐用年数は素材によって違う
防災用のヘルメットは長期保管できるものを選ぶと、メンテナンスが楽です。うっかり耐用年数を過ぎていて、本来の性能を発揮できなかったということを防ぎやすくなります。
ヘルメットの耐用年数は素材煮よって違ってきます。
耐用年数 | 素材特性 | 素材 |
---|---|---|
4~5年 | 加熱で硬化 | FRP |
2~3年 | 加熱で軟化 | ABS、PC、PP、PE |
耐用年数とコストパフォーマンスを考えると、FRP素材のヘルメットが他の素材の2倍以内の価格ならお買い得だと言えますね。
(他と比べて2倍長持ち)
熱に強い素材が安心
ヘルメットには様々な素材があります。特に注目したいのが耐熱性です。火事に見舞われることを考えると熱に強い素材が望ましいです。
下記表を見ていただければ分かるように、素材としてはFRPが一番熱に強いです。耐熱温度が高い上に、加熱すると硬くなります。
火事による火の粉や、火の付いた家財などの倒壊により、ヘルメットが溶けて頭に火傷を負うリスクを低減することができます。
名称 | 耐熱温度 | 加熱すると | |
---|---|---|---|
FRP | 繊維強化プラスチック | 150~180℃ | 硬くなる |
PC | ポリカーボネート | 120~130℃ | やわらかくなる |
PP | ポリプロピレン | 100~140℃ | やわらかくなる |
PE | ポリエチレン | 70~110℃ | やわらかくなる |
ABS | ABS樹脂 | 70~100℃ | やわらかくなる |
出典 日本プラスチック工業連盟 主なプラスチックの特性と用途
とはいえ、一番熱に弱いABSの耐熱温度は70℃。人体のタンパク質が変性し、元に戻らなくなる温度が60℃。どのヘルメットも人体よりは熱に強いようです。
火事の際に、熱い倒壊物に襲われるた時のことを考えると、熱に強いに越したことはありません。
周辺の危険に合わせて最適なヘルメットを
自宅周辺の避難経路に、特殊な危険が存在する場合は、ご自身の判断で最適なヘルメットを選ぶと良いです。
素材による違いは、熱以外に、耐電性(電気工事に向くか)や、耐薬品性(薬品取扱に向くか)、耐候性(屋外での長期使用で劣化しにくいか)などもあります。耐熱性以外の比較は「ヘルメット激安通販専門店 まもる君」の素材特性早見表が参考になります。
例えば
- 電柱が密集していて、頭上から電線が垂れて感電する危険がある場合 → 帯電性
- 化学薬品工場が存在する → 耐薬品性
防災用にはFRP素材の製品がベスト!
防災用のヘルメットの素材は、
ということが言えます。
- 他の素材と比べて耐用年数は2倍近い
- どの素材よりも耐熱温度が高い、かつ熱硬化の性質なので溶けにくい
FRP素材だと初期費用は高くなりますが、耐用年数を考えてコストパフォーマンスが良いか判断すると良いと思います。FRPのヘルメットが、他のヘルメットの2倍以下の価格で手に入るなら、コストは大差ないということが言えます。
とはいえ「FRPじゃなきゃダメ!」というわけでもないので、強くこだわる必要は無いと思います。
「防災用」と記載されていないのだけど大丈夫?
「防災用」のヘルメットじゃなくても大丈夫です。
ヘルメットには、防災用として販売されているものがありますが、「防災用」としての規格があるわけではありません。そのため場合によっては「防災用 = 安心 」が当てはまらない可能性もあります。
最終的には、防災用として必要な機能があるかを見極める必要があります。
私は、以下を重視しました。
- 落下物に対する第三者機関の証明 → 国家検定品かどうか
- 周辺の危険(特に火災)に備えているか → 素材 FRPがベスト
参考になれば幸いです。
オススメの防災ヘルメット
ここからは、実際にどんな商品があるか特徴別にまとめてみます。
FRP製で国家検定合格品 (安心安全!)
ミドリ安全の商品は、FRP製で国家検定合格品のラインナップが揃っています。色のバリエーションも豊富です。家族全員が目立つ色で統一すれば避難時に迷子になりにくい効果もあります。
安い商品だと1,500円程で手に入ります。色のバリエーションも多いので、家族で統一するなどすると避難時に迷子になりにくいと思います。
Amazone売れ筋ランキンング 1位の売れ筋品
2019/10/5時点で、Amazonの売れ筋ランキング:安全ヘルメットで1位となっている商品はこちら。
厚生労働省保護帽検定合格品(飛来落下物用、墜落時保護用)で、値段もお手頃です。素材はABS樹脂ですが、折り畳んで収納できるのが強み。
収納効率が上がる折りたたみ式
折りたたみ式のヘルメットなら収納効率があがります。家族人数分のヘルメットを準備することを考えると、収納サイズが小さいのは大きなメリットです。
価格は、3,000~4,000円ぐらいです。
タタメットズキンはヘルメットの「国家検定合格品」ではありませんが、防災布として認定されている商品です。ヘルメットとして防災頭巾の両方の機能を持ち合わせた商品です。
子供用のヘルメット
お子さんのいるご家庭なら、子供用のヘルメットを準備してあげると安心ですね。
価格は、3,500~4,000円ぐらい。
ミドリ安全の商品は、FRP製で国家検定合格品です。色のバリエーションも豊富ですし、キャラクターがプリントされているものもあります。
タタメットズキンは商品画像にあるように、子供も利用できます。
まとめ
ヘルメットの選び方
- 国家検定合格品かどうか
- 素材にこだわるならFRP製
- 「防災用」と書かれていなくても大丈夫
- 「防災用」だからといって安心というわけではない
色々なヘルメットを調べてみて分かりましたが、ミドリ安全さんは、子供用の防災用ヘルメットもFRP製です。こだわって安全な商品を作っていることが分かります。非常に好感が持てました♪
→ 「国家認定品」で「FRP素材」がオススメ
参考 ヘルメットに抵抗があるという方は、頭部を保護できる帽子も検討してみてください☆